プロセスレコードで知っていますか?
あまりにも、マニアックすぎて知らない人も多いと思います。
でも、これが頭の中にあると、順序だてて部下を育てることができるので知識として知っておくのはありです。
今日はプロセスレコードとはなんなのか?
上手なプロセスレコードの書き方は?
そういった疑問に解りやすくお答えします。
そして最後には実際にあった患者さんとの場面をプロセスレコードにしてみます。
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✔本日の記事内容
・作った人
・使い方は簡単
・実際、これを看護学生が使うとこうなります
・部下への指導の現場で使うとこうなります
・具体的に書いたプロセスレコードがコレ
・まとめ
✔作った人
プロセスレコードとは、ヒルデガルド・ペプロウ(1952)によって提唱された、看護の臨床の現場における、対人関係とくに看護者と患者の間の相互作用にかんする文章による記録のことである。この記録の形式は、アイダ・オーランド(1972)による、看護過程論(nursing process)による議論を受けて、看護者が患者の(対人相互作用による)行動を、知覚分析し、それにもとづいて、看護者がどのように行動をおこなったかを、出来事の後で、内省的な観察を加えて記述する方法へと洗練化された。また、プロセスレコードを看護者の内省的観察を実践する際に、アーネスティン・ウィーデンバック(1962)は、5つの自己評価項目を標語化(つまりテーゼ化)し、プロセスレコードを記述することを、一連の行動の連続(シークエンス)をひとかたまりの単位(ユニット)として抽出すること、ならびに、それらの一連の行動を、ひとつの意味のある(=分析に値する)行動と知覚の連鎖として記述するという技法の形にとりまとめられることを明らかにしている。
看護の教科書では有名な人ですが・・・
この記事を書くことになって、初めてご尊顔を拝見しましたw
ヒルデガルド・ペプロウさん・・・女の人だったんですねw
そして、定義が難しすぎて
「チョット何言ってるのかわからないです」→できの悪い後輩すぎか?
✔使い方は簡単
作った人は、歴史的な偉人ですが、使い方は超簡単です。
だって、成績下の下の俺が理解できるくらいですから!
①患者の言動
②学生の感じたこと・考えたこと
③学生の言動
④評価・考察
なんだこれ?
学生用じゃん?
って思うでしょ?だから使いやすいんです。
馴れてくると、頭の中でこれに記入するだけで、相手の成長を促せるようになります。
✔実際、これを看護学生が使うとこうなります。
ちょっとわかりやすく、精神科で妄想のある人に困ったときの対応で説明します。
この場面を取り上げた理由
・患者さんと会話が成立しなかった。
・話が続かなかった。
場面の状況説明
・患者さんの自室で2人で話していたら、ベッドで寝ない理由をそっと教えてくれた。
①患者の言動
「僕は、ベッドで寝れないんだよ。だって、ここに小人さんがいるから潰したりしたら危ないでしょ?」
②学生の感じたこと・考えたこと
心の声
(は?小人?どこに?これって触れちゃいけない領域か?)
(精神科看護では妄想は否定も肯定もしてはいけないルールだから、なんていえばいいんだろう?)
(無理だ、部屋から出よう)
③学生の言動
何も言わずに立ち去った。
④評価・考察
精神科看護ではよくある場面ですw
その場面をきりとって、あとで皆で話し合うことになります。
たとえば、
「何も言わずに立ち去られた患者さんの気持ちとか」
「私もそうなると思うとか」
「わたしは、もっと聞きたい!」
そして、みんなで解決策を模索します。
こういった作業をわかりやすくするために使うのが、プロセスレコードです。
✔部下への指導の現場で使うとこうなります
自分は、良い時も悪い時も、部下の指導にこれをよく使います。
この場面を取り上げた理由
いつもちょっとしたことに気づかない部下が、まとめて仕事できたとき
場面の状況説明
マルチタスクで仕事できない部下が、部屋の掃除後に消臭剤も交換できていた。
そのため、なんで消臭剤を交換したのか尋ねてみた。
①部下の言動
「え?だって臭いにおいが充満していたし、中身がなかったから」
②自分の感じたこと・考えたこと
心の声
(いつもは気づけないのによくきづいたなぁ)
(これはこの良い行動を強化するチャンスかもしれない)
(このスタッフは男性なので、みんなのいる前で褒めたほうが効果的だろう)
③自分の言動
「自分も前からその匂いが気になっていたんだよ。忙しい中でそこまでしてくれてありがとう」
詰所の中で、少し大げさだが嬉しかったことを伝える。
①部下の言動
「あーそうなんですね」
照れながら嬉しそうな表情で、現場に戻っていった。
④評価・考察
その後、彼は消臭剤を頻回に交換してくれるようになった。
小さいことだが、他のスタッフから感謝されるようになった。
自己肯定感が少し上がったように見える。
でも、ベテランスタッフからは
「そんなことで褒めて!上司なのに甘い!」
と、思われていたかもしれない。
褒める場所を考えればよかったかもしれない。
訓練すると、こういった思考が、瞬時に頭の中で駆け巡ります。
もし、彼の行動を言語化(アウトプット)させなかったら、良い行動は強化されてなかったかもしれません。
彼の発言で「え?だって臭いにおいが充満していたし、中身がなかったから」は普通のことですが、その小さい行動を見逃さずにアウトプットさせることが、より良い職場にに繋がります。
どの場面でも使える方法なので、ぜひ試してみてください。
✔具体的に書いたプロセスレコードがコレ
プロセスレコードは困った時に使うほうが話が盛り上がります。
逆に、コミュニケーションがうまくいったときのプロセスレコードは「良かったね」で終わってしまうので、検討会が盛り上がりません。
そのため、学生にプロセスレコードを提出してもらう時には「困った事例や場面」を提出するよう伝えています。
ここが重要でございます。
あと、実習初日は患者さんとの会話が盛り上がりません。
誰もがコミュニケーションがうまくいかないので、プロセスレコードに起こすには不適切なタイミングです。
実習期間にもよりますが、実習期間の中盤でプロセスレコードを作成すると、看護学生、実習指導者ともに円滑な検討会が行えます。
検討前の事例(学生が提出してくるプロセスレコード)
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見えにくいと思うので、エクセルでのファイルも添付しておきますね。
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学生が提出してくるプロセスレコードを実習メンバーと、学校の先生、実習指導者で検討します。
当院では、このメンバーに加えて心理療法士が加わります。
最初から実習指導者が検討会で語り始めると、検討会が勉強会になってしまいます。
そのため、実習指導者の自分は笑顔で話を聞いて過ごすことを心掛けています。
そうなると、学生は押し出されるように質問をはじめます。(2枚目の画像の赤色の部分)
学校の先生がいるので、学生は何か発言しないと注意されるので仕方ありません。(可愛いw)
その質問が終わると学生同士で対応方法などを検討していきます。
話が盛り上がらない場合はこちらが所々助言を挟みます。
そして、最後に実習指導者として意見を求められます。
自分の場合は、学生がなぜそのような行動をに至ったのか?
そこにフォーカスをあてて発言します。
患者さんへの対応や今後については学生が話し合っているので追加しても意味は薄いです。
それに、実習指導者が普段している対応方法を伝えすぎると学生が考えなくなります。
その結果、個別性や失敗のない実習を送ることができます。
そんな実習は面白みに欠けると思いませんか?
こういった理由からプロセスレコードのフィードバックは、学生の持っている「性格上の特性」にフォーカスをあてて伝えています。
自分がよく遭遇する主なタイプはこちらです。
①逃避的なタイプ
困ったことが起こるとその現場から逃げようとする。
話を急にかえようとするタイプもここに含まれます。
②評価的タイプ
問題点を見つけ、改善策を伝えるタイプ。
患者さんは気持ちを聞いてもらえないと感じる。
③支持的タイプ
患者さんの気持ちは聴くが何も解決しない。
一見よさそうに見えるが、これが続くと表面的な関わりになりやすい。
④受容的タイプ
患者さんの気持ちをしっかりと受け止める。
受け止める際はありのままを聞き、否定も肯定もしない。
その上で、一緒に解決を目指す。
これが、精神科看護師としての役目です。
他のタイプもありますが、今日はこのくらいにしておきます。
こうすることで、学生は自分の傾向について考えるようになります。
自分は思ったより否定的な傾向にあるんだなとか、意外と肝が据わっていたんだ・・・
など、発見があるようです。
このような結果が得られるので、当院のプロセスレコード検討会は学校の先生から特に好評です。
チョット困った生徒に「自分の間違った考え方を伝えられる」良い薬になるからです。
しかも、実習指導者という現場の先輩が伝えるので、聞かざる得ない状況です。
学生を確実に教育できますねw
✔まとめ
プロセスレコードは使える。ありがとうぺプロウさん
今日も、最後まで見てくれてありがとうございます!
今日が人生で一番若い日です!
みなさん気を付けていってらっしゃいませ。
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